犬の車酔いは、車の揺れで平衡感覚が乱れることに加え、不安やにおいなどのストレスが重なって起こり、あくびやよだれが吐く前の初期サインになることがあります。
「車に乗せると毎回吐いてしまう」「急によだれが増えたけれど、これは車酔い?」と心配になりますよね。
大切なのは、吐くまで我慢させるのではなく、愛犬の小さな変化に気づいて早めに休憩し、車内環境や乗せ方を見直すことです。
この記事では、イオンペットが運営するペテモで2025年12月26日に掲載された獣医師監修記事「犬が車酔いしないためにできること|移動時の酔い止め対策と慣らし方」を中心に、犬の車酔いの原因、吐く前のサイン、食事やクレートの工夫、車への慣らし方まで整理します。
なお、医学的な判断については獣医師監修情報をもとにし、私自身の長年の飼育経験から感じていることは「飼い主としての私見」と分けてお伝えしますね。
犬が車酔いする原因は?三半規管の乱れとストレスが関係
犬の車酔いは、主に内耳にある三半規管への刺激による感覚のズレと、車に対する不安やストレスが関係するとされています。
ペテモの2025年12月26日掲載の獣医師監修記事では、車の揺れや振動によって三半規管が刺激され、目から入ってくる視覚情報とのズレが生じることで、吐き気などにつながると説明されています。
三半規管は、体の傾きや動きを感じ取り、バランスを保つために重要な部分です。
車の中では体が揺れている一方、犬の視線がクレートの壁や座席など比較的動かないものに向いていることもあります。
こうした「目で見ている情報」と「体で感じている動き」の食い違いが、車酔いにつながる一因になるというわけですね。
子犬は車酔いしやすい傾向がある
ペテモの記事では、子犬は平衡感覚がまだ十分に発達していないため、成犬より車酔いしやすい傾向があるとされています。
成長とともに三半規管などが発達し、以前より酔いにくくなる犬もいるようです。
ただし、ここで「子犬だからそのうち治る」と決めつけるのは避けたいところです。
成犬になっても揺れに敏感な子はいますし、体の揺れとは別に、車への不安が強く残っているケースも考えられます。
私自身、長く犬と暮らしてきて感じるのは、車への反応にはかなり個体差があるということです。
同じくらいの年齢や体格でも、平気で眠ってしまう子もいれば、数分でよだれが増える子もいます。
これは医学的な診断という意味ではなく、飼い主として日々観察してきた実感ですが、「犬だからこうなる」とひとまとめにせず、その子自身の反応を見ることがとても大事だと感じています。
「車に乗ると嫌なことが起こる」という記憶も影響する
犬の車酔いは、身体的な揺れだけで説明できないことがあります。
ペテモの記事では、ガソリンや芳香剤などのにおい、エンジン音、振動といった刺激もストレスになるほか、過去の移動経験も影響すると説明されています。
例えば、車に乗るたびに動物病院へ行っていた犬なら、
「車に乗る=嫌なことが起きる」
と覚えてしまうことがあります。
すると、まだ車が動き出していない段階から緊張し、落ち着かなくなったり、震えたりすることもあるのですね。
ここで私が大切だと思うのは、「身体的な車酔い」と「車への予期不安」を分けて考えることです。
揺れが主な原因なら運転や固定方法の見直しが重要ですし、車を見るだけで怖がるなら、車に慣れる練習そのものが必要になります。
同じ「車酔い」に見えても、何を嫌がっているのかによって対策の優先順位は変わってきます。
犬が吐く前の車酔いサインは?あくび・よだれに注目
犬の車酔いで特に覚えておきたい初期サインは、あくび、よだれの増加、落ち着きのなさ、鳴く、呼吸の変化などです。
いきなり吐くとは限らず、その前から小さな変化が出ることがあります。
ペテモの獣医師監修記事で紹介されている主なサインを整理すると、次のようになります。
- 普段よりあくびが増える
- よだれが多くなる
- ソワソワして落ち着かなくなる
- 車内をウロウロしようとする
- クンクン鳴き続ける
- 呼吸が荒くなる
- 体が震える
- 急にじっと固まる
- 嘔吐する
中でも、初期に気づきやすいのがあくびとよだれです。
普段ほとんどよだれを垂らさない子なのに、車に乗ってしばらくすると口元が濡れてきた場合は、「まだ吐いていないから大丈夫」と考えず、体調を確認してあげましょう。
何度も繰り返すあくびも、単なる眠気とは限りません。
車内という状況で続けて見られ、さらに落ち着かない、よだれが出るといった変化が重なるなら、車酔いや緊張の可能性を考えて早めに対応するほうが安心です。
急におとなしくなった犬も注意して見る
意外と見逃しやすいのが、動き回っていた犬が急にじっとしてしまうケースです。
「やっと慣れて落ち着いたのかな」と思いたくなりますよね。
ところがペテモの記事では、一見おとなしく見えても、体調が悪くて動けなくなっている可能性があると紹介されています。
普段なら外を見たがる子が伏せたまま顔を上げない、いつも呼びかけに反応する子が反応しにくいなど、その子にとっての“いつもとの違い”を見ることが大切です。

私は、「鳴いていないから大丈夫」「吐いていないから大丈夫」という見方だけでは少し足りないと考えています。
犬は言葉で気分の悪さを伝えられないからこそ、普段の表情や姿勢を知っている飼い主さんの観察が、早めの休憩につながります。
犬の車酔い対策は?乗せ方・食事・車内環境を整えよう
犬の車酔い対策では、揺れを減らす、強いにおいを避ける、快適な温度を保つ、食事の時間を調整する、安全に体を支えられる場所を作ることが基本になります。
一つだけで解決しようとするより、「愛犬が苦手そうな刺激を一つずつ減らす」と考えると取り組みやすいですよ。
急発進・急ブレーキを避けてなめらかに運転する
ペテモの獣医師監修記事では、急ブレーキや急発進を避け、なめらかな運転を心がけることが車酔い対策として紹介されています。
急な加速や減速、強いハンドル操作が続けば、犬の体にはそれだけ大きな揺れが加わります。
犬を乗せている日は普段以上に車間距離を取り、早めの減速を意識するとよいでしょう。
これは車酔い対策だけでなく、愛犬を含めた同乗者全員の安全にもつながります。
芳香剤など強いにおいを避ける
ペテモの記事では、ガソリンや芳香剤など車内特有のにおいも犬のストレス要因として挙げられています。
人にとって心地よい香りでも、犬には刺激が強いことがあります。
車酔いしやすい子を乗せるなら、強い芳香剤や香りの強い製品はなるべく避け、車内ににおいがこもらないよう配慮したいですね。
換気も方法の一つですが、窓を大きく開けて犬が顔を出せる状態にするのは安全ではありません。
ペテモの別記事「愛犬とドライブに出かける際の注意点|トラブル対処法についても解説」やHonda Dogでも、犬が車外へ顔を出したり飛び出したりしないよう注意することが紹介されています。
車内温度を快適に保つ
暑すぎる車内は、車酔い以前に犬の体調へ大きな負担をかける可能性があります。
ペテモの記事でも、暑すぎたり寒すぎたりしないようエアコンで快適な環境を保つことがすすめられています。
特にクレートの中は、運転席とは体感温度が異なる場合があります。
飼い主さんが快適だからといって、愛犬も同じとは限りません。
クレートの設置場所に直接強い日差しが当たっていないか、エアコンの冷風が当たり続けていないかなども確認しましょう。
また、短時間のつもりでも犬だけを停車中の車内に残すのは避けたいところです。
食事は出発直前を避ける
食事のタイミングも、車酔い対策でよく検索されるポイントですね。
ペテモの2025年12月26日の記事では、空腹すぎる状態と満腹すぎる状態のどちらも酔いの一因になり得ると説明されています。
さらに、Hondaが運営する「Honda Dog」の車酔い対策記事では、食事は車に乗る2〜3時間前までに済ませる方法が紹介されています。
同じくHonda Dogでは、直前に満腹にするのではなく、少量にして残りを目的地到着後に与える方法も案内されています。
つまり、「吐きそうだから朝から何も食べさせない」と一律に考えるのではなく、満腹も極端な空腹も避けるという考え方が基本になります。
ただし、年齢や持病、投薬状況によって適切な食事管理は変わります。
毎回激しく吐く犬や、治療中の病気がある犬では、旅行前にかかりつけの獣医師へ相談してくださいね。
クレートは犬の車酔い対策になる?安全に固定することが大切
クレートやキャリーケースは、車内で犬の体が必要以上に揺れたり移動したりするのを防ぎ、安全を確保するために役立ちます。
ペテモの2025年12月26日の記事では、キャリーケースやクレートをシートベルトなどで固定し、動かないように設置する方法が紹介されています。
車内を自由に歩き回れる状態では、カーブやブレーキのたびに犬自身が体勢を立て直さなければなりません。
また、ペテモの別記事「愛犬とドライブに出かける際の注意点」でも、固定せずに自由にさせるとカーブなどで酔いやすくなる可能性があるほか、急ブレーキ時のけがにも注意が必要とされています。
ですからクレートは、「酔わせない道具」と断定するより、揺れを減らしやすくしながら安全な居場所を作るための選択肢と考えるのがよいでしょう。
クレートは車に乗る日だけ使わない
ただし、普段まったく入ったことのないクレートへ、ドライブ当日に突然入れれば、不安が強くなる犬もいます。
ペテモの記事では、家の中でもクレートやキャリーケースを使い、安心できる場所として認識させることが大切だとされています。
ベッド代わりにしたり、中に入って落ち着けたら褒めたりしながら、
「ここに入ると安心できる」
という経験を積み重ねていきます。
お気に入りのクッションや毛布、飼い主さんのにおいがついたタオルなどを入れる工夫もペテモの記事で紹介されています。
ただし、誤飲する可能性がある物や、犬が噛みちぎってしまう物は避け、その子が安全に使える物を選びましょう。
犬を車に慣らすには?「酔う前に終える」を意識しよう
犬を車に慣らすときは、いきなり長距離を走らず、停車した車から始めて少しずつ段階を進めることが基本です。
ペテモの記事では、まず停車した車内でエンジンをかける練習を行い、5分程度から始めて徐々に時間を延ばす方法が紹介されています。
慣れてきたら、家の周囲を一周する程度の短距離へ進み、問題がなければ少しずつ距離を伸ばしていきます。
同じペテモが公開している「愛犬をドライブ好きにする方法|車に慣れるステップと安全に楽しむコツ」でも、
- エンジンを止めた車内に慣れる
- エンジンをかけて音や振動に慣れる
- 公園など楽しい場所への短距離ドライブをする
- 問題がなければ距離を伸ばす
という段階的な考え方が紹介されています。
ここで私が飼い主として特に大切だと感じるのが、「酔うまで頑張らせない」ことです。
5分乗れたら10分、10分乗れたら30分、と時間だけを伸ばすのではなく、「今日は気分が悪くなる前に終われた」という経験を重ねていくほうが、車への嫌な記憶を作りにくいと考えています。
これは獣医師の診断ではなく、犬との暮らしを通して感じる飼い主目線の考えです。
「車=動物病院」だけにしない
車に乗る目的が毎回通院だけなら、犬が「車の先には嫌なことが待っている」と学習してしまう可能性があります。
体調や気候に問題がなければ、近所を少し走って帰る、公園へ行く、好きな散歩コースまで移動するといった経験も混ぜてみましょう。
ペテモの記事でも、公園やお気に入りの場所に連れて行き、「車に乗ると楽しいことがある」という経験につなげる方法が紹介されています。
もちろん、震えたり大量のよだれが出たりしているのに、「慣らすためだから」と乗せ続ける必要はありません。
途中で嫌がるなら、前の段階へ戻る。
このくらいのゆっくりした進め方で十分ですよ。
犬の車酔いがひどいときは薬を使える?獣医師へ相談を
環境を整えても毎回吐いてしまう場合や、どうしても長時間の移動が必要な場合には、動物病院で犬の車酔いについて相談し、必要に応じて薬を処方してもらう方法があります。
ペテモの獣医師監修記事では、動物病院で処方される薬として、吐き気を抑える制吐作用のある薬や、必要に応じて気持ちを落ち着かせる作用のある薬が紹介されています。
どの薬が使えるか、どの量が適切かは、犬の体重、年齢、体調などによって変わります。
そのため、人間用の酔い止め薬を飼い主さんの自己判断で与えるのは避けてください。
ペテモの記事でも、人用の薬には犬に適さない成分が含まれる可能性があるとして、獣医師の診断を受けることが重要だとされています。
また、処方される薬によっては眠気やふらつきなどが見られる場合もあるため、投与する時間や使い方についても獣医師の指示を確認しましょう。
「薬を使わないほうが愛犬のため」と考える必要はありません。
私自身は、車に乗るたびに強い吐き気を我慢させるより、獣医師と相談したうえで負担を減らせる方法があるなら、それも十分に愛犬思いの選択だと考えています。
CBDなどのサプリメントはどう考える?
犬の車移動について調べていると、CBDを使ったペット向け製品を目にすることもあります。
例えば、ペット用CBD商品を扱うM&N’sの公式情報では、ブランドオーナーの愛犬が車酔いしていた経験をきっかけの一つとして商品開発を始めたことや、愛犬にCBDを与えた際の体験が紹介されています。
ただし、これはCBD商品を販売する事業者自身が公開しているブランドストーリーであり、個別の体験談です。
そのため、「CBDを使えば犬の車酔いが治る」「獣医師が処方する薬の代わりになる」と一般化することはできません。
車酔いを繰り返す場合は、まず車内環境、食事、固定方法、慣らし方などを見直し、それでも強い症状が出るなら獣医師へ相談するという順番が安心です。
サプリメントを使いたい場合も、すでに薬を飲んでいる犬や持病のある犬では、事前に獣医師へ確認しておきましょう。
犬の車酔いで休憩・受診を考えるタイミングは?
ドライブ中にあくびやよだれが急に増えた、呼吸が荒くなった、震え始めた、普段と違って動かなくなったと感じたら、症状が強くなる前に休憩を考えましょう。
安全な場所に停車し、愛犬の状態を確認します。
ペテモの車酔い記事でも、初期サインが見られた段階で無理に移動を続けず、休憩を取ることがすすめられています。
嘔吐したからといってすべてが緊急事態というわけではありませんが、吐くことを繰り返す、休んでもぐったりしている、通常とは違う呼吸や強い体調変化がある場合には、「いつもの車酔い」と自己判断せず動物病院へ相談してください。
ペテモの「愛犬とドライブに出かける際の注意点」でも、休憩してもぐったりした状態が続く場合には、近くの動物病院の受診を検討するよう案内されています。
「車に乗ったときだけだから」と決めつけず、症状が強い、以前より悪化した、毎回繰り返すといった場合には、一度獣医師に相談して原因を整理してもらうと安心ですね。
私が考える犬の車酔い対策|「吐かなかった=成功」にしない
ここからは、長く犬と暮らしてきた飼い主としての私自身の考えです。
私が犬の車酔い対策で特に大切だと思っているのは、「吐かなかったかどうか」だけでドライブの成功を判断しないことです。
犬が目的地まで吐かなければ、飼い主さんとしてはホッとしますよね。
でも、ずっと大量のよだれを出していたり、震えていたり、クレートの中で固まっていたりしたなら、その子にとってはかなりつらい移動だったかもしれません。
だから私は、乗車中だけでなく、
「車から降りたあと、普段どおりの様子に戻れているか」
まで見てあげることをおすすめしたいです。
降りた直後からいつものように歩けるのか。
しばらく伏せたまま動かないのか。
水を飲んだあと落ち着いたのか。
こうした乗車後の様子を記録しておくと、「30分は大丈夫だった」「今日は15分あたりからよだれが増えた」など、その子が無理なく乗れる範囲が見えやすくなります。
これは車酔いを診断する方法ではありません。
けれど、吐くという一つの症状だけでは見えない“負担の大きさ”を知る手がかりにはなると私は考えています。
さらに、旅行当日に突然長時間乗せるのではなく、普段から短時間の練習をしておけば、「この子はどんなサインから始まるのか」も知りやすくなります。
犬によっては、最初によだれが出る子もいれば、あくびが増える子、急に静かになる子もいます。
自分の愛犬の「最初の変化」を知っていることは、どんな高価なドライブ用品よりも役立つ場面があるかもしれません。
まとめ|犬の車酔いは吐く前のサインを見逃さないで
犬の車酔いは、三半規管への刺激による感覚のズレだけでなく、不安、車内のにおい、音、過去の嫌な経験などが重なって起こることがあります。
あくびやよだれの増加、落ち着きのなさ、呼吸の変化、震え、急に動かなくなるといったサインが見られたら、吐くまで走り続けず早めの休憩を考えましょう。
対策では、なめらかな運転、強いにおいを避けること、快適な温度管理、クレートの固定、出発直前の食事を避けること、短時間から少しずつ車に慣らすことがポイントです。
それでも毎回強い症状が出るなら、「慣れれば大丈夫」と無理をさせず獣医師へ相談してください。
そして私自身は、「吐かなかった」だけでなく、「降りたあとも普段どおり元気でいられたか」まで含めて、その日のドライブを評価してあげることが、その子に合った車酔い対策を見つける近道だと考えています。
よくある質問
犬が車酔いする前にはどんなサインが出ますか?
代表的なのは、あくびやよだれの増加です。
そのほか、ソワソワする、鳴く、呼吸が荒くなる、震える、急にじっと動かなくなるなどの変化が見られることもあります。
犬の車酔い対策では食事を何時間前にすればいいですか?
Honda Dogでは、食事を乗車の2〜3時間前までに済ませる方法が紹介されています。
一方で、犬の年齢や体調によって適切な量や時間は変わるため、毎回激しく吐く場合や持病がある場合は獣医師へ相談してください。
犬の車酔いは慣れれば治りますか?
短距離から段階的に慣らすことで、車移動への不安が減ったり、乗りやすくなったりする犬はいます。
ただし個体差があり、慣らしても酔う犬もいるため、震えや大量のよだれなどが見られる状態で無理に乗せ続けないことが大切です。
犬の車酔いに人間用の酔い止めを使ってもいいですか?
自己判断で与えるのは避けましょう。
犬の車酔いで薬が必要な場合は、体重や年齢、体調に合ったものを獣医師に相談し、処方された薬を指示どおりに使用してください。
執筆:のん/ベテラン愛犬家主婦ライター



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